ゲセルと聖水
ガルチン・アリヤ 著
挿絵 堀田ルミ子
ISBN 978-4-904402-12-2
C0093
A5判328ページ
紙の本 2,200円+税
電子書籍 1,500円+税
2017年7月刊行
モンゴル・チベットに古くから伝わる英雄叙事詩「ゲセルハン」を下敷きに、モンゴル高原に暮らす少年ジョルの数奇な運命を描くファンタジー。
モンゴル在住の女性作家が、日本語で書き下した大作です。純朴で雄大なモンゴルの自然、思いやりにあふれた人々の暮らしが、ドラマティックなストーリー展開とともに見事に描かれています。
(あらすじ)
天の息子ゲセルは雲の鳥に乗って人間世界に下り、草原の民チャルキンとアロンの息子、ジョルとして生まれる。
ジョルの持つ不思議な力に周囲の人々は圧倒されながらも、人々はジョルの純朴な心に惹かれ、この地を長年支配してきたマンゴス(悪魔)に立ち向かう勇気を得る。
そしてゲセル自身もまた、自分の宿命の謎を一つ一つ解き、真の事実に辿り着く。
著者からのメッセージを「FROM AUTHORS」に掲載中。
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ガルチン・アリヤ
GALQIN ALIYA
1974年中国内モンゴル自治区生まれ。2001年日本に留学。東京大学大学院学際情報学府社会情報学修士学位取得。その後、イギリス、シンガポールなどにて留学、就職。現在、中国内モンゴル自治区の大学で教師を務める。
日本の読者の皆様へ
私は日本に6年間留学し、帰国してからは日本語や英語で話す機会がなくなり、ある程度身につけた外国語を忘れてしまいそうでした。日本語を忘れないように、また自分の日本語スキルに刺激を与えるように、日本語で小説を書いてみたいと思いました。
このかん、私は十年近く海外生活をして、外国の言語や文化などをたくさん学びました。帰国してからは、自分の生まれ育ったモンゴルの文化を、海外の人々に知らせることが私の夢となりました。中でも自然を尊び、自然を守り、自然と共に生きる、モンゴル人の文化や知恵を、世界中の人々に伝えたいと思いました。自然環境の崩壊が深刻になっている現代では、自然とともに生きる知恵と責任感を持つのは、とても重要なことだと思ったからです。
「ゲセルと聖水」を書き始めたのは、2013年10月15日のことです。この物語は、モンゴル・チベットに古くから伝わる英雄叙事詩「ゲセルハン」を下敷きにしていて、モンゴル高原のある集落に暮らす少年ジョルの数奇な運命を描いたファンタジーです。これまでもいくつか短編を書いたことがありますが、長編で、しかも日本語で書くのは初めてのことでした。何度も何度も書き重ねながら3年以上かかって、ようやく本にすることができました。
出版にあたって、 ここまでこれたこと、そして、出会った人々に心から感謝しています。
この作品が、読んでくれたすべての人々の楽しみとなり、また現実生活の中では味わいにくいファンタジーの世界を広げるきっかけになればいいなと思っています。
2017年7月
ガルチン・アリヤ
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